精密根管治療

根管治療の成功率は欧米だと90%くらいですが、
日本では60%程度と言われています。

根管治療は歯を残すためには本当に大切な治療です。しかし残念ながら、現代の医学では根管治療の成功率は100%ではありません。一般的にはアメリカの論文では根管治療の成功率は90%ぐらいと言われています。(初回の治療の場合。)
では我が国では、どうなのでしょうか?

根管治療の成功率は欧米だと90%くらいですが、日本では60%程度と言われています。

一つこちらのようなデータがあります。これは日本で根管治療を受けた歯の根の先に根尖病巣(膿)が認められた割合を表したグラフになります。
簡単に説明すると根の治療を受けた後に根の先に膿が溜まってしまっている歯の割合を表しています。つまり、日本で根管治療を受けた歯は60%程度の成功率しかないことを表しています。 欧米の根管治療が全ていいとは言いませんが、やはり見習うべき所は多々あります。
では、どのような点を気をつけることが根管治療の成功率を上げるのでしょうか?

根管治療の成功率を高めるには

根管治療は歯を残すためには本当に大切な治療です。しかし残念ながら、現代の医学では根管治療の成功率は100%
ではありません。一般的にはアメリカの論文では根管治療の成功率は90%ぐらいと言われています。(初回の治療の場合。)
では我が国では、どうなのでしょうか?
一つこちらのようなデータがあります。これは日本で根管治療を受けた歯の根の先に根尖病巣(膿)が認められた割合を表したグラフになります。
簡単に説明すると根の治療を受けた後に根の先に膿が溜まってしまっている歯の割合を表しています。つまり、日本で根管治療を受けた歯は60%程度の成功率しかないことを表しています。
欧米の根管治療が全ていいとは言いませんが、やはり見習うべき所は多々あります。
では、どのような点を気をつけることが根管治療の成功率を上げるのでしょうか?

治療の精度 被せ物の精度 治療の成功率
パターン① 高い 高い 91.4%
パターン② 低い 高い 67.6%
パターン③ 高い 低い 44.1%
パターン④ 低い 低い 18.1%

「精度の高い治療」と「精度の高い被せ物」を選択すると、根管治療の成功率は90%以上に達し、「精度の低い治療」と「精度の低い被せ物」の組み合わせでは成功率が10%台まで低下します。つまり、歯科医院がどのような治療を行い、患者さんがどの治療を選択するかで歯の保存の可否が変わってくるのです。
欧米の治療が全てとは言いませんが、やはり取り入れた方がいい治療方法がいくつかあります。
根管治療の成功率を高めるためには、特にラバーダム防湿やマイクロスコープなどは根管治療に欠かせないものです。
当院では患者さまの歯を出来るだけ長持ちさせれるように以下の取り組みを行なっております。

根管治療の成否を分けるのは「無菌化」、「可視化」です

根管治療で最も大切な要素が、「無菌化」と「可視化」することです。根管治療では、治療を行う部分は小さな歯の中のさらに小さい根の中の部分です。この部分をいかに綺麗にして、無菌的な治療を行うことが大切だと当院では考えております。このような処置を行うために当院では以下のような取り組みを行なっております。

①マイクロスコープの導入

①マイクロスコープの導入

マイクロスコープとは歯科用の顕微鏡のことで、裸眼で見えるものを最大24倍に拡大した視野で見ることができる装置です。

根管治療におけるマイクロスコープの重要性

根管治療で我々歯科医師が治療を行う部分は「小さな歯の中」のさらに「小さく細い根っこの中」を消毒しています。さらに、その「根の中」は光が届きにくく全く見えない状態です。
つまり、根管治療を裸眼で行うことは「暗闇の中で針穴に糸を通すようなもの」なのです。
これではどうしても正確性にも欠けてしまいますし、到底「根の中」を綺麗にしきることはできないのです。

  • 1. 小さなものを拡大して見ることができる。
  • 2. 術野に直接光が届くので、根管内をしっかりと見ることができる。

このような利点があるため、マイクロスコープを使用することで今まで裸眼で見えなかったものがはっきりと見えるようになります。
例えると、「明るい場所で虫眼鏡を使い針穴に糸を通す」ような状態になるということです。
また実際には以下のように根の入り口の見落とし率をマイクロスコープを使用した場合と裸眼とを比較したデータもあります。

①マイクロスコープの導入

このデータによるとマイクロスコープを使用すると根の入り口の見落とし率が下がると報告されています。
このような大きな利点は多々あるのですが、マイクロスコープを使用するデメリットもあります。

マイクロスコープを使用するデメリット

  • 治療時間がかかる。

どうしてもマイクロスコープを使用すると、普段は見えないものが見えるので、治療に時間がかかってしまいます。しかし、そのようなデメリットを差し引いてもマイクロスコープ使用するメリットはあると当院では考えております。
このため当院では可能な限り、マイクロスコープを使用して少しでも根の病気の再発防止に努めております。

②ラバーダム防湿の徹底

②ラバーダム防湿の徹底

根管治療にとって欠かせないものがラバーダム防湿です。これは歯にラバーダムというゴムのマスクを装着する治療法です。

取り組み1:ラバーダム防湿

根管治療で最も重要なことがいかに無菌的な処置を行えるかと言われています。しかしお口の中は沢山の細菌がいる状態です。この細菌が根管治療中に歯の根っこの中に入ってしまうことで、根管に感染がおこってしまいます。一度感染してしまった根管を綺麗に洗浄することは非常に困難です。
このため、ラバーダム防湿を行い『お口の中』と『治療する歯』を分離する必要性があります。
例えるならば、お口の中に手術室のような無菌的な空間を作り出す状態と言えます。
しかし現在日本の歯科治療では、ほとんどラバーダム防湿が行われていないのが現状です。以下にラバーダム防湿を行っているのかを調査したデータがあります。

取り組み1:ラバーダム防湿

これによると根管治療の際にラバーダム防湿があまり行われていないことがわかります。
当院では根管治療の際には、可能な限りラバーダム防湿を行い、患者さまの歯を守る努力を行なっております。

③歯科用CTの利用

③歯科用CTの利用

歯科用CTは通常の歯科用のレントゲンと違い、3次元的に歯の形を見ることができる機械です。
今までのレントゲンでは重なって見えていたものが、CT画像ではくっきりと見えるようになりました。

歯科用CTの有効性

マイクロスコープを使用することで限りなく、根管内をくっきりと見ることができるのですが、それだけでは見えない部分もあります。
そのような部分でもどのような構造になっているかを確認する手段が歯科用CTです。歯科用CTを使用することで歯根の形態や根管の長さ・太さ・彎曲度なども3次元的に正確に把握することが可能です。歯科用CTは例えると、「暗闇の洞窟を探検するための地図」だと思っていただけると分かりやすいかと思います。
この歯科用CTによるデータがあることで、通常のレントゲンでは写らなかった歯根や歯の破折が確認できるだけでなく、歯根の形が分かり、根の見落としが少なくなるため、根管治療の成功率を上昇させるだけなく、再発リスクを低減させることにもつながります。

当院ではマイクロスコープに併用して歯科用CTを用いることで確実な根管治療を行なえる体制を整えております。

④殺菌効果や生体親和性の高い材料の使用

④殺菌効果や生体親和性の高い材料の使用

近年根管治療にMTAセメントやバイオセラミックなどと呼ばれる材料が使用しだされました。
以前は歯根に穴が開くと抜歯という風潮がありましたが、これらの材料が臨床に応用されるようになり、抜歯と言われていた歯も残すことが可能になってきております。

これらの材料は殺菌効果や生体親和性の高い(体となじみの良い)材料で、大きく壊れてしまった歯根などの穴を塞ぐ場合や根の先が壊れてしまった歯根を詰める際などに使用されます。これら材料には「歯の再石灰化作用や高い封鎖性」があり、予後も良好と報告されております。
当院では治療のオプションとして以上のような材料を根管治療時に使用しております。

根管治療は歯を残すために本当に大切な治療です

根管治療は歯を残すために本当に大切な治療です

「根管治療」とは歯の土台となる「根の治療」です。どれだけ詰め物や被せ物に綺麗なものを入れたとしても、この土台がきっちりとした治療が行われていなければ、土台から歯は壊れてしまいます。例えるなら家の外観は立派なのに、土台となる支柱が折れかかっているような状態です。
この歯の土台となる部分である「根の治療」をいかにきっちりと治療を行えるかで今後の歯の寿命が変わる可能性があります。
当院では患者さまが一生ご自身の歯を使って、楽しく笑顔で、美味しくお食事を取れるよう、少しでも患者さまの歯の寿命が長くなるような治療を提供しております。

「セカンドオピニオン」にマイクロスコープを活用します

いぬきデンタルクリニックでは、セカンドオピニオンの際にマイクロスコープを活用しております。次に挙げるような方は、是非とも当院までご相談ください。

  • 他院で歯を抜く他ないと診断された
  • 治療してもすぐに再発する
  • 治療が長引いてなかなか終わらない
  • 頻繁に腫れる

今現在、治療を受けている歯科医院がマイクロスコープや歯科用CTを導入していないのであれば、セカンドオピニオンを受ける意義も大きくなります。当院のマイクロスコープには、画像・動画撮影機能がついておりますので、治療部位の状態をモニターで映しながら今の状態をご説明できます。

最初の治療を「どこ」で行うかが重要です

最初の治療を「どこ」で行うかが重要です

根管治療は、繰り返すほどに成功率が下がっていきます。日本の保険診療水準の根管治療の成功率は30〜50%であるという報告(東京医科歯科大学の調査)があり、世界的なスタンダードな根管治療では、70%程度と言われております。つまり、1回目の治療を「成功率の高い医院」で受けることが極めて重要となるのです。精度の高い根管治療を行える歯科医院は全国でも一握りとなっています。

治療相談・セカンドオピニオンのご案内

治療相談・セカンドオピニオンのご案内

当院では、お口のお悩みや歯科治療に関する疑問・不安をお聞きする機会を設けております。どんなにささいなことでも構いませんので、何かお困りのことがありましたら、お気軽にいぬきデンタルクリニックまでご連絡ください。

根管治療の治療費用

根管診断(ラバーダム・顕微鏡下にて根管内洗浄の上で診断) 3.3万円(税込)
根管充填1根管 2.2万円(税込)
保険治療の場合 保険治療費